信仰生活ABC

問25:それでは、そのほかにイエスの史実については知る必要はないのですか。

答:はい、そうです。たとえばパウロなども、イエスについて、もっと知っていたかもしれませんが、イエスの誕生とその死のほかはあまり書いていません。また使徒信条でも、イエスの誕生からいきなりポンテオ・ピラトのもとにおける受難と十字架に写っています。

ここで与えられている答えは、ちょっと意外かもしれません。しかしよく考えてみると、誕生と死以上に重要な史実はないのではないでしょうか。

こんな話を読んだことがあります。ある国の王様が学者たちに国の歴史を編纂させたというのです。長年かけて完成したものは膨大な書物になりました。王様は学者たちの労をねぎらいながらも、多忙な自分のために要約版を作成してくれるよう依頼しました。再び長い時間が経ち、学者たちが王様のもとを訪ねた時には、王様は病床にありました。しかし王様はこの歴史書に関心があり、さらに要約を求めました。学者たちが最後に持参したものは、「○○王は○○年に誕生、○○年に亡くなった」「□□王は□□年に誕生、□□年に亡くなった」・・・。それを聞き終わって王様は亡くなったというのです。この話が言おうとしていることは、人生において誕生と死以上に重要な史実はないということです。

イエス・キリストの場合も同じです。しかし各福音書はイエスの生涯や出来事を伝えていますが、これはどう理解すべきでしょうか。このことについては次回お話しすることにしましょう。

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