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巻頭言「主(ヤハウェ)は救う」

 イザヤ書は「聖書の中で最も美しい詩と最も有名な希望の言葉が書かれた」文書です。イザヤ書1~39章は紀元前742~700年過ぎまでの北王国イスラエルと南王国ユダの歴史に関係しています。紀元前900年頃、アッシリア帝国は勢力拡大に向けて新たな行動を開始、約250年間にこれまでなかったほどの強大な帝国を築き上げました。王たちは道路を建設、支配地の民族意識打破のため住民の強制移住を実行しました。

 この強大なアッスリア軍にパレスティナ北方の国アラムは攻められ、北王国イスラエルも脅威にさらされていました。そこで両者は連合し、南王国ユダもこれに加わらせようとします。ところが南王国の王アハズは逆に敵国アッシリアに協力することで北王国の圧力に対抗しようとしたのです。しかし紀元前721年に北王国が滅ぼされると、アハズ王の戦略は裏目に出、アッシリアの攻撃にさらされ、今度は南方の強国エジプトの助けを求めざるを得なくなったのです。

 この状況下で預言者イザヤが語ったことは「神のみに信頼せよ」ということでした。因みに「イザヤ」は「主(ヤハウェ)は救う」という意味であり、イザヤ書の核心を示しています。(踊)

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