小学科だより

教会学校小学科だより(2021年3月28日)

コヘレトの言葉3章1節

何事にも時があり

天の下の出来事にはすべて定められた時がある。

 

今日は、『桜のいのち庭のこころ』(佐野藤右衛門 筑摩書房)という本を読みました。佐野藤右衛門さんは桜守(さくらもり)です。桜守とは、桜の木の医者さんのようなもので、幹に傷がないか、虫に食われていないかを診断して、桜の木が美しい花を咲かせることができるようにいつも見守っている人です。

 

桜の花が満開になりました。桜の花は下を向いて咲くので、花を見るときは枝の下にぐっと入り込んで見上げてみてください。そうやって見てもらうのが、花にとって一番うれしいのだそうです。

さて、桜の一年を順にならべてみてください。

 

A.花が咲く

B.葉が散って枝になる

C.花が散る

D.葉になる

 

多くの人は、

花が咲く→花が散る→葉になる→葉が散って枝になる

という順だと思っています。

でも、佐野藤右衛門さんによると、桜の一年は花が散るところからはじまるといいます。花を咲かせるのは、桜の最後の仕事なのです。

夏の暑さに耐えてたくさん栄養を貯め、花を咲かせるために葉を落とします。冬の寒い時期には幹いっぱいにエネルギーを蓄えて、花が咲くその時を待ちます。

一生懸命にがんばった結果が花なのです。

桜の花は、もうすぐ散ります。桜の新しい一年のはじまりです。

花が散ると、私たちはそこに桜の木があることすら忘れてしまいますが、桜の木は誰も見ていないところで懸命に生きているのです。

 

朝、窓を開けると春が近くにいることが分かります。花のかおり、草や土のにおい、海のにおい、太陽の暖かさや雨のにおい…

今は、一日中マスクをしているので気が付きませんが、隅々まで神さまの恵みが詰まっていることを感じます。

 

 

次回は、イースターのことをお話しします。

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