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知ることは私たちの責務

この季節、私は平和に関する書物を読むことにしています。戦争を知らない私には、知る責任があると思うからです。渡部良三氏の『歌集 小さな抵抗 殺戮を拒んだ日本兵』、長谷川儀神父の『八月六日の朝 ぼくは十四歳だった』、吉岡英二郎氏の『「焼き場に立つ少年」は何処へ』でした。今年はそれに絵本も加えました。

祈ってもらいなさい

東京都練馬区で6月、元農林水産事務次官の男性(76)が44歳の長男を刺殺したとして逮捕・起訴されました。その4日前、川崎市多摩区では、スクールバスを待っていた小学生らが刃物を持った男に襲われ、6年生の女児を含む2人が死亡、18人が重軽傷を負いました。元次官の長男も、川崎の事件の犯人とされる自殺した男

ヨハネ・パウロⅡ世ー1981年の平和アピール

戦争は人間のしわざです。戦争は人間の命の破壊です。戦争は死です。この広島の町、この平和記念堂ほど強烈に、この真理を世界に訴えている場所はほかにありません。もはや切っても切れない対をなしている2つの町、日本の2つの町、広島と長崎は、「人間は信じられないほどの破壊ができる」ということの証として、存在する

時代を見抜く鋭い目

1930年代ヒトラーに命がけで抵抗したマルティン・二―メラー牧師の詩です。  ナチが共産主義者を襲ったとき、自分はやや不安になった。  けれども結局自分は共産主義者でなかったので何もしなかった。  それからナチは社会主義者を攻撃した。自分の不安はやや増大した。  けれども依然として自

パンはいくつあるのか

福音書には多くの奇跡物語が記されています。若い頃は奇跡の記事に戸惑いを覚えたものですが、最近では反対に新鮮な興味を覚えるのです。様々な制限に幾重にも拘束されている現代、主イエスの時代に思いを馳せるとかえって解放されのびのびする気がするのです。当時の民衆も同じだったことでしょう。イエスが五千人以上

「この祈りから始めよう」(週報巻頭言/2019.7.14)

主イエスは「平和を実現する人々は幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる」(マタイ5:9)と言われました。平和実現への働きはどこから始まるのでしょうか。私の中では主のこの教えが次の祈りとしっかり結びついています。今日なせる善を/仕える方法を/人を助ける言葉を/主よ、教えてください。間違ったことを

「複数牧会制の導入に向けて」

2019年度総会資料の「牧師室より」に、私は今年度の活動方針を記しました。例年通りの課題に加えて、特に緊急を要する課題として「複数牧会制の導入」を提示しました。全年齢層の兄弟姉妹のために祈り、配慮し、その信仰を育てることは教会の大切な務めです。しばしば一人の牧師の守備範囲はその年齢の上下15才と

「神学校週間に寄せて」

エフェソの信徒への手紙4:1~12の言葉です。「そして、ある人を使徒、ある人を預言者、ある人を福音宣教者、ある人を牧者、教師とされたのです。こうして、聖なる者たちは奉仕の業に適した者とされ、キリストの  体を造り上げてゆき…。」教会が歴史を生き抜くためには様々な働き人が必要でした。かつてガリラヤ

幼子には分かる

福音館の創業に参画した松井直氏の著書『松井直がすすめる50の絵本―大人のための絵本入門』、また高原典子氏の『絵本の泉―心を育む絵本の名作40』でも取り上げられている絵本があります。それは『おじさんのかさ』。一人の紳士がいます。一本の傘をとても大事にしており、決して使おうとしません。雨が降ると雨宿

「新しく見えてくるもの」

聖書を読む時に、その箇所だけでなく前後も合わせて読んでみると、今まで見えなかった大切な真理が見えてくる場合があります。例えばルカ8章22節以降。主イエスは弟子たちに「湖の向こう岸に渡ろう」と促されます。そこはゲラサ人の住む場所、その地で主は悪霊に憑かれた人を癒されます。しかし自分たちの財産である

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