「愛に根ざし」
エフェソの信徒への手紙は使徒パウロの信仰と神学に基づく教会論です。異質なグル―プの間には誤解や争いが生じがちですが、著者はユダヤ教出身のキリスト教徒と異教徒出身のキリスト教徒の和解、キリストへの信仰による克服を目指して書き記しました。
著者は「御父から、天と地にあるすべての家族がその名を与えられています」(3:15)と言います。ユダヤ人であれ異邦人であれ主イエスを信じるすべての人は「神の子」という名を与えられているのです。
神学者バルトは「わたしたちは神の子である」という説教の中で次のように言いました。
愛する友よ!わたしたちは神の子である。これが、あなた方に日曜日毎に説教したい唯一のことである。
この自覚に生きる共同体こそ教会であり、そこにあるべきものは愛なのです。3:17で著者はこう祈ります。
信仰によってあなたがたの心の内にキリストを住まわせ、あなたがたを愛に根ざし、愛にしっかりと立つ者としてくださるように。