祈ってもらいなさい

東京都練馬区で6月、元農林水産事務次官の男性(76)が44歳の長男を刺殺したとして逮捕・起訴されました。その4日前、川崎市多摩区では、スクールバスを待っていた小学生らが刃物を持った男に襲われ、6年生の女児を含む2人が死亡、18人が重軽傷を負いました。元次官の長男も、川崎の事件の犯人とされる自殺した男性(51)も、ひきこもりがちだったといいます。

川崎の事件のあと、テレビ番組のキャスターは「1人で命を絶てば済むことじゃないですか」と言い、インターネットに同調する声が拡散しました。

家族に暴力を振るっていたという元農水次官の長男は、近くの小学校の運動会の音に「うるせえな、ぶっ殺してやるぞ」と腹を立て、それを聞いた元次官は「川崎の事件を知り、人に危害を加えるかもしれないと思った」と供述しています。「1人で死ねよ」と突き放す言葉が重圧となり、孤独と絶望に追い込んでしまったのでしょうか。

「これらの小さな者が一人でも滅びることは、あなたがたの天の父の御心ではない」(マタイ18・14)と告げる聖書は、心身を病む人に「祈ってもらいなさい」(ヤコブ5・14)と、助けを求めることを促すのです。(田川大介)