マルコ福音書一章三五節に次のような注目すべき言葉が記されています。「朝早くまだ暗いうちに、イエスは起きて、人里離れた所へ出て行き、そこで祈っておられた。」
この言葉の前には主イエスの多忙さが記されており、音楽に例えると曲想が変わり、その後再び主イエスの多忙な宣教活動が描かれているのです。
福音書記者は何を私たちに告げようとしているのでしょうか。ヘンリー・ナーウェンは『静まりから生まれるもの』と題する講演の中で次のように言っています。「息もつけないような忙しい活動の真ん中で、静かな息遣いが聞こえます。…行動のただ中に、沈黙の祈りがあります。その独りになれる所で、イエスは、自分の思いではなく、神の御心に従う決断をする力を得ました。この独りだけの所で、御父との親密な交わりに身を浸すことによって、イエスの働きが生まれたのです。」
現代は行動を重んじる時代です。だからこそ静かな祈りの時が必要不可欠なのです。