踊協力牧師メッセージ

「起き上がり小法師」

 キリスト教書評誌「本のひろば」に『起き上がり小法師』という絵本が紹介されていました。「こぼし」はこういう字を書くのだと初めて知り、読んでみたいと思いました。

 自転車事故に遭い頭部外傷をうけた作者は、生死の境をさまよい、やがて目が覚めたのですが、話そうとしても言葉にならず、手を動かそうとしても動かない。「私の手はどうなったの?」。そんな彼女の側でお母さんはずっと体をさすってくれました。

  ちゃんと起き上がれますように
  ちゃんと手が動きますように
  ちゃんと立つことができますように
  生きてるだけで十分。感謝だね

 優しい温もりのある手。「神様、車いすの生活でもいいですから、起き上がれるようにしてください」と彼女は心の中で祈ったと言います。一言一言が心の琴線に触れ、添えられている絵が優しく、胸が熱くなりました。

 作者のペンネーム「ソラ」はラテン語。聖書のみ、信仰のみ、恵みのみ、キリストのみ、栄光のみの「のみ」を意味しているのです。

 私たちにもキリストは優しい手をそっと伸べ、温かい言葉を静かに語りてくださっています。(踊)

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