来年2017年はルターの宗教改革から500年です。ルター派の教会にとってはもちろん、プロテスタント諸教派にとっても大切な記念の年になることでしょう。私は今年一年間ルターの著作を集中的に読みたいと願っています。
ルターの生涯で印象的なのは聖書への集中ということです。「聖書のみ」、それがルターの一貫した生き方でした。聖書のドイツ語翻訳はライフワークであり、「信仰義認」の発見も徹底した聖書研究の成果でした。
ルターは召される直前まで創世記の講解をしました。「さて、これが愛する創世記であります。どうか神が私の後に来る他の人にもっとよい講解をさせてくださるように。私にはこれ以上のことはできません」。
彼の絶筆は次の一文でした。「5年間、牧夫や農夫であったのでなければ、ヴェルギリウスの牧歌や農耕歌は理解できまい。40年間、支配の重要な位置に就いていたのでなければ、キケロの書簡は理解できまい。100年間、預言者と共に教会を導いたのでなければ、聖書を十分に味わったとは思えまい」。