マタイの降誕物語には東方の博士たちが登場しますが、ルカでは羊飼いたちが登場します。当時羊飼いたちの社会的評価は低いものでした。夜も家を離れて野原にいるので妻子を守ることができません。しばしば彼らの羊は他人の土地の草を食べるため盗賊扱いされました。しかし彼らは家に残している家族を想い神に祈り、危険や苦労も顧みずただ神の守りを信じて羊たちの世話をする人々でした。彼らこそ神の救いを切望する人々でした。ルカ福音書の著者はそんな彼らが最初に幼子キリストに出会ったと告げるのです。
彼らは「今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった」(ルカ2:11)という天使の言葉に促されて出発、あちこち探し回り、ついに馬小屋の飼い葉桶に眠る幼子を探し当てたのです。「探し当てる」、この言葉は慣れた場所から未知の場所へ踏み出す勇気と行動力、また決して諦めない意志の強さを私たちに告げています。
今年のクリスマス、私たちもあの羊飼いたちのように救い主イエス・キリストを見出すことに熱心でありたいと願います。