エルサレムは城塞都市でした。ユダヤ全土を支配するローマ総督は軍馬にまたがり、訓練された多くの兵卒を率いてエルサレムに入城しました。ローマに抵抗することの無意味さを示すためでした。
一方、主イエスは子ろばに乗ってエルサレムに入城されたとマタイ福音書21章に記されています。それは旧約の預言「見よ、お前の王がお前のところにおいでになる、柔和な方で、ろばに乗り、荷を負うろばの子、子ろばに乗って」(イザヤ62:11、ゼカリヤ9:9)に基づく象徴行為でした。主イエスがもたらすものは武力ではなく平和であることを人々に印象づけるためでした。
私たちキリスト者はこの平和の主と共に生きる群れ、平和の主に従う群れです。私たちの前にはいつもこの平和の主イエスがおられ、そこにこそ真の幸福があるのです。
主イエスをお乗せして運ぶ子ろばでありたいと願って生きた故榎本保郎牧師の生涯を、三浦綾子さんが『ちいろば先生物語』として著しました。私たちも主イエスを乗せて福音を運ぶ「ちいろば」でありたいと切に願います。