主イエスの復活、それは人間の理性では信じがたいことでしたが、キリストを受け入れた者には神の存在を啓示する最上のしるしとして理解されました。また私たちに対して示された主イエスの愛を、父なる神がよしとなさったことのしるしとして、さらに父なる神に信頼し続けて生きた主イエスの姿の承認でもありました。彼らは主イエスに倣い神への信仰と人々への愛をもって雄々しく生きていったのです。
神学者アリスター・マクグラスの『十字架の謎』でこう述べています。
初期のキリスト者たちは、死者の中からイエスを復活させ、自分たちのだけではなく 全世界の主とした、神の力を記憶していたので、悪の諸力がたとえどれほど強大であ ろうとも、たとえどれほどひどい損害をなお与えようとも、一切の試みは必ず失敗 するに違いないと、確信していた。それゆえこれらのキリスト者たちは、勝利した神 の義と愛が、最後には自分たちの生と自分たちの周りの世界のいずれにおいても勝 利するであろうという絶対の確信を持って、将来を楽しみに待ったのである。