「ありったけの愛を」
原崎百子さんは1978年、肺がんのため43才の若さで天に召されました。彼女は国際基督教大学を卒業、東京神学大学修士課程修了後原崎清牧師と結婚、牧師の伴侶として働きつつ金城学園高等学校で英語教師としての勤めをしていました。けれど気づかぬうちに病魔は彼女の身体をむしばんでいたのです。
癌末期と告げられた時、彼女は夫と四人の子供たちに宛てて病床日記を書き始めます。そこには夫への愛、子供たちへの愛が溢れています。
四人の子供たちよ。今お母さんは、表紙のすぐうしろのところに、こう書きました。お母さんをお母さん自身をあなたがたにあげます。・・・お母さんのありったけの愛を、律子に。お母さんのありったけの愛を、二郎に。お母さんのありったけの愛を、忠雄に。お母さんのありったけの愛を、周平に。
百子さんの愛の全てが四人の子供たちの心の深みに確実に宿ったに違いありません。