巻頭言「信仰がもたらす美しい連鎖」

 フィレモンへの手紙はパウロ書簡の一つで、紀元54~55年頃エフェソの獄中から書いたものです。元来は「愛する協力者フィレモン」への私信ですが、同時にパウロは「家にある教会」でも読まれることを願っています。

 フィレモンの奴隷であったオネシモは何らかの理由で逃亡、エフェソでパウロに再会してキリストへの真実の信仰を持ったのです。だからパウロは「監禁中にもうけたわたしの子オネシモ」と言っています。パウロはオネシモにこの手紙を持たせてフィレモンのもとへ返します。パウロは、オネシモを信仰の兄弟として迎えてやってほしいと命令ではなく依頼するのです。そもそも「オネシモ」とは「有益」という意味です。かつて彼はフィレモンに「不利益」をもたらした存在でしたが、今では文字通り「有益」な存在となった、とパウロは言います。

 3~7節には大切な言葉が多く記されています。「信仰」「愛」「善いこと」「信仰の交わり」「喜び」「慰め」「元気」。信仰に源を発する愛、愛から生じる善い行い、善い行いは喜びと慰めと元気を生み出し、信仰者の交わりを一層活発にするのです。私たちも今この美しい連鎖の歩みをしているのです。(踊)