幼子には分かる

福音館の創業に参画した松井直氏の著書『松井直がすすめる50の絵本―大人のための絵本入門』、また高原典子氏の『絵本の泉―心を育む絵本の名作40』でも取り上げられている絵本があります。それは『おじさんのかさ』。

一人の紳士がいます。一本の傘をとても大事にしており、決して使おうとしません。雨が降ると雨宿りをし、他人の傘に入れてもらい、雨の中を走ってきた子が「おじさん、傘に入れて」と頼んでも、聞こえないふりをします。そこにその子の友だちが通りかかり、仲よく傘に入り、楽しいそうに歌いながら帰っていきます。「あめがふったらポンポロロン、あめがふったらピチャンチャン」。なんて楽しい歌でしょう。その歌をおじさんも思わず口ずさみ、ついに大切にしていた傘を開くのです。おじさんの傘の上でも雨が奏でるあの歌が聞きながら帰っていくというお話です。

大人には変なこだわりがありますが、子どもは自由です。すべてのことを楽しめます。聖書は「これらのことを知恵ある者や賢い者には隠して、幼子のような者にお示しになりました」(マタイ11:25)と告げています。