NHK出版新書の『おとなの教養』を読んでいます。著者は、2012年からは東京工業大学リベラルアーツセンター教授を務める池上彰氏で、現代人が「教養」を軽んじていることを指摘し、本当に重んじるべき「教養七科目」として宗教、宇宙、人類の旅路、人間と病気、経済学、歴史、日本と日本人を挙げています。
ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学などではリベラルアーツ教育を重んじ、その後に専門科目を学ぶのです。「すぐに役立つことは、世の中に出て、すぐに役立たなくなる。すぐには役に立たないことが、実は長い目で見ると、役に立つ」。真の教養こそが激動する社会の中で自分を支える堅固な基盤になるというのです。
西南学院の創立者C・K・ドージャー先生は聖書の教育を重んじました。
子供の品性を高め、その人格を磨き、その魂を養うことに注意を払っている人が幾人ありますか。子供に暮らしに役立つ方法を教えてくれ、学問そのものは後にして、金をもうける方法を教えよというのであります。(「魂の価値」)