日本聖書協会は2018年12月に「聖書協会共同訳」を出版予定です。今回の特徴は「礼拝にふさわしい聖書」ということです。
多くの人はきっと「ようやく新共同訳に慣れてきたのに」と思うでしょう。しかし日本語聖書の翻訳の歴史を見ると、『明治元訳』(1887年)、『大正改訳』(1917年)、『口語訳』(1955年)、『新共同訳』(1987年)と、ほぼ30年毎に翻訳されています。
同時に、聖書学、翻訳学など学問研究の進展、日本語や日本社会の変化などもあるのです。
同志社大学神学部の石川立先生は新しい翻訳の目的は「聖書を耕す」ということだと説明します。聖書は読み慣れると新鮮な出会いがなくなってしまう恐れがあるとも言われます。まるで踏み固められた土地の状態になってしまうのです。そんな土地には美しい花や豊かな作物は実りません。新しい翻訳は柔らかく耕された畑のようであり、そこには新たな発見があるというのです。かつては新共同訳もそうでした。
出版してすぐに私たちの教会に採用とはいかないでしょう。実際に試用しながらていねいに考えていければと思っています。