山上で説教されました。「空の鳥をよく見なさい」「野の花がどのように育つのか、注意して見なさい」(マタイ六・二六、二八)。そよ風に乗って聞こえてくる主のみ言葉は、生きることに疲れ切った群衆の心に神の愛をはっきりと示し、大きな慰めと喜びをもたらしました。
ドイツの神学者クリスチャン・メラーは『慰めの共同体・教会』の中で現代の教会が傾聴すべきことを告げています。
業績のとりこになっている人間に必要なのは、自分を助けてくれ、自分を受け入れるようにさせてくれる説教である。それは業績至上の生き方に巻き込まれている人間を、愛に触れる喜びへ、神を賛美することへと解き放つものとなる。宣べ伝えられた「愛の然り」によって、人間が休息を得、み言葉のなかにしばし憩うことができるようにするのである。
教会はあのガリラヤ湖畔の〈山上〉のように神の愛が繰り返し語られる現代の聖地でありたいと願っています。