「もうひとつのナザレに」
主イエスの幼少期について記述があるのはマタイ福音書とルカ福音書です。紀元七〇年代に書かれたマルコ福音書はヨハネの宣教から始まり、主の幼少期については何も記していません。マルコ福音書にとっては主の言動、特に十字架と復活のことが主要テーマだったのです。
しかし紀元八〇年代になると、主の誕生と幼少期のことにも関心が及びました。イエスの系図も誕生地ベツレヘムも乙女マリアの懐妊もみなイエスが真の救い主であることを示すためでした。
また幼子イエスを大切に守り育てたヨセフとマリアの姿、村の会堂に併設された学校で受け、ヨセフによる職業訓練を受けた幼子イエスの姿は、初代教会のクリスチャン家庭の良い模範にもなったのです。
マザー・テレサは「ヨセフとマリアのもとで、イエスの過ごされたあのナザレの生活、あのような生活がわたしたちの生活になったら…」と述べています。愛に満ちる家庭を形成しましょう。(踊)