「十字架の意味するもの」
十字架はキリスト教の大切なシンボルですが、元々はローマ帝国が逃亡奴隷や反乱者に行った刑罰です。十字架は当時の人々にとって無力さと愚かさと神の呪いの象徴でした。
キリスト者にとっても当初は十字架は越えがたい躓きでした。しかし彼らは主イエスの言葉と旧約聖書に導かれながら次第に十字架の本当の意味を理解するようになりました。
十字架は人間の罪深さを表しています。愛に生きたイエスを罪ある者として執拗に責め断罪した人間の罪深さです。
十字架の第二の意味は主イエスの愛の意志です。不法な証拠を捏造し、自分を十字架の死に追い込み、罵りの言葉を投げる人々のためになお父なる神の赦しを祈られたのです。「父よ、彼らをお赦しください」。
第三の意味は父なる神への徹底的な信頼です。十字架への道が父なる神の意志であると悟った主は敢えてこの道を進み続け、ついに「父よ、わたしの霊を御手にゆだねます」と言って絶命されました。そこには最後の一息まで父なる神に信頼し従順であろうとする主イエスの高潔な意志が現れています。