「イエスは大声で叫ばれた。『エリ、エリ、レマ、サバクタニ』これは、『わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか』という意味である」(マタイ27:46)
十字架上で主イエスが発した言葉です。イエスともあろう者がなんと情けない…と思われますか。しかし神を父、ご自分を独り子という強い自覚を持って歩んでこられた方なのです。それがまるで生木を裂くように父なる神から切り離されるのです。なぜ? 何のために? 全ての人の罪を代わって負うたために。罪は交わりを粉砕するものなのです。
下の絵はスルバランの「十字架上のキリスト」(1650年、エルミタージュ美術館所蔵)です。十字架上でキリストは何を思い、何を祈っておられたのでしょうか。「父よ、彼らをお赦しください。何をしているのか分からずにいるのですから」。世界で最も尊い祈りではないでしょうか。