「婚礼に招かれた客のように」
マタイ福音書22章1節以下には、王が王子の婚礼に多くの客を招いた話が記されています。ところが婚礼の当日招待された客は出席せず、再三の招きも無視、挙句の果てに王の家来たちを侮辱し殺害してしまったというのです。王が怒ったのは当然です。
そこで王は家来たちに町で見かけた者は誰でも招いて来るよう命じます。家来たちは命令に従って人々に声をかけました。当時は婚礼を催す人が招待する客の為に婚礼用の礼服を贈呈するのが習慣だったと言いますから、「光栄です。ぜひ伺います」と答えた人々には礼服を贈ったに違いありません。
いよいよ婚礼が始まりました。席には大勢の客がいます。王は喜びました。ところが一人だけ礼服を着ていない者がいます。不審に思った王は「友よ、どうして礼服を着ないでここに入ってきたのか」と尋ねますが、彼は何も答えようとしません。王は彼をその場から連れ出すよう命じました。
王が与えた礼服とは何のことでしょうか。それは信仰です。神にとって信仰こそ他の何物にも代え難い高価な礼服なのです。