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巻頭言「幾百万の祈りに支えられ」

神学者D・ボンヘッファーは、「教会」という言葉には埃が積もっている、それを払い落とすべきだと言います。その時、この言葉は筆舌に尽くしがたいほど偉大で栄光ある言葉となり、私たちの心に愛の感情を点火すると言うのです。教会は建物や組織ではなく、神の民の交わりであり共同体のことです。神はその交わりに私た

巻頭言「主(ヤハウェ)は救う」

 イザヤ書は「聖書の中で最も美しい詩と最も有名な希望の言葉が書かれた」文書です。イザヤ書1~39章は紀元前742~700年過ぎまでの北王国イスラエルと南王国ユダの歴史に関係しています。紀元前900年頃、アッシリア帝国は勢力拡大に向けて新たな行動を開始、約250年間にこれまでなかったほどの強大な帝国を

巻頭言「キリストの誕生物語」

 新約聖書にある四福音書で、主イエスの誕生物語を記しているのはマタイとルカだけです。マルコにはありません。主イエスの公生涯から書き始め、十字架と復活に集中しています。ヨハネは「初めに言があった。言は神と共にあった」と書き出し、主イエスの先在性を伝えようとしています。マタイとルカだけが、人としての誕生

巻頭言「この岩の上にわたしの教会を」

 ある時、主イエスは「人々は、自分のことを何者だと言っているか」とお尋ねになりました。弟子たちは、「バプテスマのヨハネ」「エリヤ」「エレミヤ」「預言者の一人」。さらに「それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか」との問いにペトロは「あなたはキリスト、生ける神の子」と告白、主イエスは「わたしはこの

折が良くても悪くても

復活のキリストは迫害者であったパウロを選び、異邦人へ福音宣教者としてお立てになりました。ローマ1:5にこう記されています。わたしたちはこの方により、その御名を広めてすべての異邦人を信仰による従順へと導くために、恵みを受けて使徒とされました。パウロは主から頂いた使命のために誠実に働きました。2

信仰の言葉を学ぶ

 神学者W・H・ウィリモンの『異質な言葉の世界』という著書には洗礼を受けた者に広がる異質な喜びの世界についての説教が書かれています。 使徒パウロは「十字架の言葉は、滅んでいく者にとっては愚かなものですが、わたしたち救われる者には神の力です」(Ⅰコリント1:18)と言いました。彼はアテネの哲学者た

ラファエロの『キリストの変容』を観る

聖書をテーマにした絵画には画家の聖書解釈が表れています。ラファエロの遺作「キリストの変容」はマルコ九・二~二九に基づいて描かれたものです。絵の上半分はキリストの変容。イエスを真ん中に左に十戒を持つモーセ、右に預言書を持つエリヤ。彼らは空中で語り合っていまう。足下にはペトロ、ヤコブ、ヨハネが地面に

祈りの修練を積む

敬老の日、新聞やテレビは世界最高齢者として福岡市東区の田中(たなか)カ子(かね)さんのことを報じました。年齢は117歳261日。実は田中さんは私たちバプテストの仲間で、西戸崎教会のメンバーです。戦後1953年にご主人が入信、ご自身は1961年に入信、現在は老人ホームで過ごしつつ信仰を守っておられます

「なんという恵み、なんという喜び」

詩編133編は「都に上る歌」と見出しがついており、一節ではこう詠まれています。  見よ、兄弟が共に座っている。なんという恵み、なんという喜び。今年の夏は新型コロナウイルス感染不安のため例年とは違っていました。遠方に住む家族はなかなか帰郷できず、子どもたちの夏休みは短くてエネルギーを発散できず

巻頭言「信仰がもたらす美しい連鎖」

 フィレモンへの手紙はパウロ書簡の一つで、紀元54~55年頃エフェソの獄中から書いたものです。元来は「愛する協力者フィレモン」への私信ですが、同時にパウロは「家にある教会」でも読まれることを願っています。 フィレモンの奴隷であったオネシモは何らかの理由で逃亡、エフェソでパウロに再会してキリストへ

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